北海道・東北ブロック家族会 精神保健福祉促進研修会宮城大会分科会で発表します
2012年9月25日
平成24 年度北海道・東北ブロック家族会 精神保健福祉促進研修会宮城大会分科会で
発表いたします。
開催日時:平成24年10月4日(木)・5日(金)
開催場所:秋保ホテルニュー水戸屋
第4分科会 10月5日(金)9:30~
「新しい就労支援」 進行役 仙台市障害者就労支援センター 相談役 諸橋 悟
話題提供/髙橋 由佳(特定非営利活動法人Switch 理事長)
渡部 哲也(株式会社アップルファーム 代表取締役)
宮城県内の平成23 年度の障害者の就職件数は、1,093件。内、精神・その他障害者は399 件となっ ています。10 年前の平成13 年度が503 件中、精神・その他障害者27 件ですからこの10 年で精神 障害者の就労は大きく伸びてきています。しかし雇用率から見ると未達成企業はまだ半数以上であ り、人数から言うと998名が不足数とされています。 障害者雇用率は、平成25 年4 月1 日より、これまでの1.8%から2%(常用労働者50 人に一人) に改定されます。また平成27 年度より、納付金対象企業は現行の201 人以上の事業所から101 人 以上の拡大されることになっていることや精神障害者の雇用義務対象化など就労がさらに進むこと が期待されています。 精神障害者の就労支援は、当事者活動の活性化とともに、これまでの状況を打破する新しい大 きな流れを造りつつあります。精神障害者への福祉・医療サービスが「日中の居場所」、再発防止 や安定を図るものとして一時の生活上の部分支援や娯楽の提供や作業訓練のみに限定され、多くの 精神障害者が働くことで社会に参加したい希望をもちながら医療サービスや社会復帰施設等に長く 滞留し、「生きがい」や目標を無くしていた状況は変わりつつあります。また支援者も変わること を求められています。 就労支援において成果をあげている事業所は、就労支援に特化した支援事業所です。そこでは 丁寧な個別の、徹底した成果をあげることを前提にした支援があります。とりわけ精神障害者への 個別就労支援プログラムとして着目されているのがIPS(Individual Placement and Support: 個別職 業紹介とサポート)です。すでに精神関係の全国各地の研修会等で紹介され、支援手法として根付 きつつあるIPSですが、今回は、就労支援に取り組みの実践事例の紹介を受けていきたいと思います。 今後の就労支援にとって、就労を希望する本人の求める働き方、職域の開拓は大きな要素です。 働きたいと願う当事者仕様の、オーダーメードの支援が必要です。新しい仕事・職場の開拓が大き な課題となっています。障害者を始め、就労困難者の新しい働き方の開拓、事業化は、特に東日本 大震災以降、顕著になってきています。経済のグローバル化と激化する国際競争、格差社会の進行 の中、地域経済・社会のあり方の見直しを掲げた、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)又は 共有課題を基礎にしたネットワークによるソーシャルファームや社会事業所などと総称される起業 が進められています。現在、就労継続支援A型の事業の中にもそうした指向があります。またB型 事業所にも高い工賃を実現し、地域社会に根ざした福祉サービスの実現が求められています。「福祉」 に止まらない、インクルーシブな動きがそこに見られます。そうした視点から、新しい就労の場= 就労機会の実現に力を注いできた企業の立場からもご報告と提案をお願いしたいと思います。 第4 分科会「新しい就労支援」の主要なテーマは、この二つ、①求められている精神障害者就労 の支援手法 ②新しい働き方・職場、事業の形成です。それぞれ、仙台において、具体的に担って いる方々からの報告・提案を受けて、今後の障害者支援とりわけ精神障害者の就労支援にとって求められることを学んでいけたらと思います。